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臨床心理士の国家資格

臨床心理士の国家資格の法制化をすべきかが議論されています。臨床心理士とは、臨床心理学の知識や技術を用いて心理的な問題を取り扱う「心の専門家」のことです。臨床心理士の需要は大変高く様々な分野で活躍をしています。

一例をあげると、教育(学生相談室ーなど)、医療・保健(病院など)、福祉(児童福祉施設など)、司法(家庭裁判所など)、矯正・保護(少年院など)、産業(企業内の健康管理室など)などの分野で働いています。

現在、臨床心理士と認定されるには1990年文部省(現・文部科学省)認可の財団法人日本臨床心理士資格認定協会が行う「臨床心理士資格試験」に合格する必要があります。受験するためには指定の大学院(第一種指定大学院)の修了や、指定の大学院(第二種指定大学院)の修了後1年以上の心理臨床経験がある人などの受験資格が必要となります。臨床心理士資格試験は、例年6、7割程度の方が合格している民間資格です。

この日本臨床心理士資格認定協会が臨床心理士の国家資格化に向けて、現在働きかけている段階なのです。国民の生活に重大な影響がある職種に対して国の責任で認定を行うのが、国家資格です。心のケアを適切に行うことができる資質能力を担保し、公証するために臨床心理職の国家資格を創設し、国民の期待に応えることができる資質の高い専門家の養成と確保が必要と考えられます。そのためには臨床心理士資格も民間資格ではなく、他の多くの医療資格と同じように国家資格とすべきだからです。

しかし、臨床心理士資格の国家資格試験への法制化はなかなか実現していません。まず問題なのは、臨床心理士を国家資格にした場合の監督官庁をどこがなるかです。というのは、臨床心理士は医療も教育も司法などさまざまな分野で活躍しているからです。横断的な領域に渡る資格なので監督官庁を決めるのが大変むずかしいのです。

また、臨床心理士が国家資格になった場合に、既存の臨床心理士資格保有者の処遇も問題となっています。単純に国家資格保有者にすると、他の民間保有者に不公平感が生じるからです。さらに、臨床心理士側の国家資格になったときの医師と同等の立場を要求する意見が医師側から反発を招いているのです。

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2007年06月21日 21:41に投稿されたエントリーのページです。

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